BLVCKBERRY 1st ONEMAN TOUR
LIVE REPORT at 2/22 LINE CUBE SHIBUYA
カリスマと共にたどり着いた“あの丘”の上でBLVCKBERRYが見た最高の景色
ついにこの場所にたどり着いた。
一ヶ月半の月日を経て、BLVCKBERRYが渋谷の地に帰ってきたのだ。
思い返せば1月7日から始まったこの
『BLVCKBERRY 1st ONEMAN TOUR「NATURAL BORN ERRORS」』
は4人で始まるという、なんとも幸先の悪いものだったが、
その逆境を見事にカリスマ(BLVCKBERRYファンの呼称)と
力を合わせ乗り越えたからこそ生まれた両者の
結びつきを以ってこの日を迎えることができたと言っても過言ではない。
『BLVCKBERRY 1st ONEMAN TOUR
「NATURAL BORN ERRORS」GRAND FINAL』――。
場所はロックの殿堂・渋谷公会堂(LINE CUBE SHIBUYA)だ。
一ヶ月半前にわずか350m、歩けば5分の距離にあるGARRET udagawaから
スタートさせたこのツアーは札幌、名古屋、横浜、福岡、大阪と全国各地を
経由して、やっとこの場所にたどり着いた。その距離4,764kmである。
しかし、この遠回りが彼らには必要な距離だったということを
本稿で示していきたいと思う。
2月22日の渋谷公会堂は雲ひとつない快晴に恵まれた。
天気も彼らのツアーグランドファイナルを祝福しているようだ。
そして、開場時刻が近づくにつれ、続々とカリスマたちが渋谷公会堂へと
続く坂道を登ってくるのが見てとれた。
それぞれがこの一ヶ月半で様々な想いを抱きながらこの日を迎え、
“この丘”に集まったのだろう。
18:30、定刻。
ロックの殿堂に爆音を響かせながらメンバーが
登場すると無数のペンライトが彼らを出迎える。
竜城詩季の「BLVCKBERRY始めます」のお決まりの挨拶から
「さぁ、渋谷よく来たな!ここに来た意味を証明しよう!」と
ド派手な特効と共にオープニングを飾ったのは「SiX RAVENS」。
今回のツアーを通して渋谷公会堂というゴールに向けカリスマとの
結びつきをより強くしたこのアンセムからこの日の幕は切って落とされた。
自らを鼓舞するために〈これが俺らの存在証明と歌舞いていこう〉と
歌っていた“嫌われ者”だった彼らが〈もう歌舞かなくたっていい〉と
過去を否定してもいいと歌えるようになった理由はただひとつ。
――カリスマたち、あなたがいたから俺たちは“この丘”へ
たどり着くことができました。いま、一緒に音楽を作ろう。
風葵がフロアに投げかけると、オーディエンスはハンズクラップで応える。
こうやってお互いを以って一つになれることを知ったという意味でも
今回のツアーに意味があったことがわかる最高のオープニングであった。
ここから「Awake_?」でライヴのギアを上げると、
「ジュブナイル」「Phoenix」「TOKYO DOPE」といった彼らを
象徴するような重厚なナンバーでは渋谷公会堂に物怖じする
どころか堂々としたステージングを見せつけ、
じわじわとBLVCKBERRYの世界を押し広げていく。
それもきっと彼ら自身が己を信じ続け、
「SIDE by SIDE」で歌っているように自分達にしか描くことの
できない物語を描き、歩いてきたからに他ならない。
また、その高い天井を生かした伸びやかな歌を堪能できるのも
ホール公演の醍醐味だろう。そういった意味では中盤に置かれた
「白いわがまま」ではメンバー6人の優しい歌声に聴き入ることができたし、
早くも隠れた名曲の匂いが漂う「摩天楼」では
艶かしいレーザーライトと煌びやかなVJで会場の雰囲気を一変させ、
渋谷公会堂というシチュエーションを存分に味わうことができた。
そして、この日のトピックの一つとして挙げられるのが、
メンバーそれぞれの人となりを軽快でゆるいラップに乗せて紹介する
2000年代ヒップホップライクな新曲「BANZAI!!」の披露だ。
このようにラウドでヘヴィな楽曲から、しっとりとしたバラード、
シティポップ、ヒップホップまで幅広い音楽性を内包しながらも、
どれもがしっかりとBLVCKBERRYの“らしさ”として昇華されている
ところも彼らの面白さの一つであるといえる。
ライヴも終盤戦。ラストスパートと言わんばかりに「レイメイ」で
フロアのボルテージを再び上げると、その温度は続く「D.O.V」の
フィーバータイムでの絶景として結実する。
これまで見たことのない数のペンライトが作り上げる色とりどりの
光の螺旋が渋谷公会堂を埋め尽くし、それ見たメンバーは
「カリスマたち、めちゃくちゃいい笑顔だよ!」
「渋谷最高!」と口々にカリスマを讃えた。
それはBLVCKBERRYにとってまさに夢のような時間だったはずで、
竜城詩季も「この夢のような時間が続くのなら、
この声が枯れてしまってもいい。行こうぜ渋谷!」
と声をあげ「2035」をドロップ。
止まない雨や明けない夜がないように、
醒めない夢もないのが世の摂理だが、この夢のような空間で
〈夢よ醒めないで〉と願うように歌う姿は皮肉にも映る。
しかし、彼らならきっとまたこの場所に帰ってくる。
そう予感させる強ささえ感じた。
――ガラクタの僕たちから、
ガラクタの君たちへ。
水を打ったような静けさの中、そう呟かれてはじまったのは
本編ラストとなる「NATURAL BORN ERRORS」だった。
ステージが炎に包まれる中「東京!ラスト行こうか!!」という
風葵の咆哮とともに始まった彼らの“現在”を表したこの楽曲は、
まさしくBLVCKBERRYがカリスマと歩んできた
一年半の集大成といってもいいだろう。
世界中のどこにも完璧な人間はおらず、
誰しも欠点を抱えながら必死に生きている。
その欠点こそがその人の“個性”であり、その欠点を認め、
受け入れながら生きていけばいいのだ。
そう気付くことができたのは間違いなくこの一年半の間に、悩み、
もがき、ぶつかりながら、それでも共に歩くことをやめなかったからこそ
見つけた一つの答え。
そんな生きとし生けるもの全てを赦し、
肯定するこの歌で彼らは夢のような時間に幕を閉じた。
場内は鳴り止まないアンコールを求める声で溢れていた。
そんな声に応えて「Wake up CHARISMA!!」のイントロに
乗せ飛び出してきた彼らはお得意のキラーチューンで会場を沸かせ、
「まだまだ旅の途中だけど、一緒に(この地図を)埋めていこう!」と
「僕らの未来図」をタイトルコールし、この日のラストナンバーとした。
曲中、涙に声を詰まらせるメンバーの姿が印象的で、
そこには渋谷公会堂という大きすぎる舞台へのプレッシャーからの
解放もさる事ながら、彼らをこの場所に導いたカリスマへの
想いが溢れての涙であるように見てとれた。
それほどにBLVCKBERRYとカリスマの結びつきは強固なものになっている。
それはこの日のライブを見れば火を見るよりも明らかだろう。
たった一年半前、その型破りなスタイルから“異端”とされ、
メンズアイドルシーンでも浮いた存在であったBLVCKBERRYがなぜ、
ここまでの存在感を放つようになったのか。
終演後の詩季の言葉にもあったが、それは彼らがそのスタイルを
信念としてブレることなく貫いてきたからだ。
やがて、そこには彼らを唯一無二だと支持する人が集まり、
カリスマと呼ばれるようになった。
ここまでBLVCKBERRYがBLVCKBERRYで在ることができたのは
紛れもなくカリスマの存在によるものが大きい。
そんなお互いをリスペクトし合える関係の
BLVCKBERRYとカリスマであれば、
この先の未来も手を取り合いながら未来図を描いていけると
確信することができた一日だったし、
共に歩いたこの道すがら負った傷や痛みまでも愛しながら
必ずやシーンにおける“最高傑作”になるのだと確信した一日でもあった。
そう、傷だらけの俺たちがMASTERPIECEなのだから。
BLVCKBERRY 2nd ANNIVERSARY ONEMAN TOUR
「MASTERPIECE」
06/25(日) 神奈川・横浜MMブロンテ
07/01(土) 愛 知・名古屋HeartLand
07/05(水) 千 葉・柏DOMe
07/09(日) 東 京・渋谷GARRET
07/12(水) 北海道・札幌SPiCE
07/13(木) 北海道・札幌SPiCE
07/21(金) 福 岡・福岡INSA
07/29(土) 大 阪・大阪RUIDO
08/03(木) 宮 城・仙台ROCKATERIA
08/14(月) 東 京・Zepp Shinjuku
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